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筑摩選書

不均衡進化論

核心に迫る新理論

DNAが自己複製する際に見せる奇妙な不均衡。そこから生物進化の驚くべきしくみが見えてきた! カンブリア爆発の謎から進化加速の可能性にまで迫る新理論。

定価

1,760

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01505-1

Cコード

0345

整理番号

5

2010/10/13

判型

四六判

ページ数

272

解説

内容紹介

生物は、遺伝子に偶然生じた突然変異によって進化する。だが、突然変異の多くは有害だ。偶然にまかせていては、進化どころか絶滅してしまうのではないか?この矛盾を解く鍵は、DNAが自己複製の際に見せる奇妙な不均衡にあった―。カンブリア爆発の謎から進化加速の可能性まで、生物進化の見方を劇的に覆す画期的な新理論。

目次

序 進化論との出会い
第1部 進化の常識を疑う(進化とは何か
進化と時間
進化、解けない謎)
第2部 不均衡進化論(奇妙にして巧妙なしくみ
不均衡モデルと均衡モデル
進化加速を実験する)
第3部 進化の意味と可能性(残された課題と不均衡進化論の未来
不均衡進化論からわかること)
第4部 生命と進化(生命の美学)

著作者プロフィール

古澤滿

( ふるさわ・みつる )

大阪市立大学理学部助教授、第一製薬分子生物研究室長などを経て、ネオ・モルガン研究所設立。発生生物学者。著書に『DNA’s Exquisite Evolutionary Strategy』がある。

この本への感想

本書は、自然科学に興味ある方には勿論のこと、これからの世界を担う若い方、及び教育関係者の方々に特にお薦めしたい。著者は生物学者であり、本書は純粋に自然科学の分野に属する書物であるが、著者の真理を追求する姿勢が行き着いた結論からは、読む方の立場によって、様々な示唆を受けることが出来るだろう。


すでに知られていた現象に、誰も気がつかなかった意味を見出し、壮大な仮説を組み立てた。そして、その直感をコンピュータを用いたシミュレーションで検証し、理論として世に出した。新しい理論を提唱するに至った過程に、著者の強烈な個性を感じる。この理論に対する評価は、時代が進むのを待つしかないが、DNAの複製という生物の根源的な部分に基づいた理論であるだけに、その期待は大きい。生物学者の自伝としても楽しめる。

なんと言っても、本書には、真理を探究するロマンがある。
執筆時の著者の年齢が77歳とは到底思えない瑞々しい文章から、その興奮が伝わり、つい引き込まれてしまった。専門的で理解できない部分もあるが、一般読者を意識した明快な文章は読み易く、何よりも、少年時代からの正直で素朴な疑問から始まる著者の人間味あふれる丁寧な解説は分かりやすい。
著者の発想を生む「考え方の手法」も、本書で一部明らかにされている。

「自然は単純で美しい」
「美しいものは本物である」
本書を読んで、印象に残った言葉である。

沼田 文男

さん
update: 2010/11/13

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