内海健
( うつみ・たけし )一九五五年東京都生まれ。東京大学医学部卒業。東大分院神経科で臨床に従事。帝京大学医学部精神神経科教室准教授等を経て、現在、東京藝術大学保健管理センター准教授。人間学的精神病理学に基づく透徹したまなざしで臨床に携わりつつ、哲学的な視座から人間精神の時代変遷にも鋭く斬り込んでいる。著書に『「分裂病」の消滅』(青土社)、『精神科臨床とは何か』(星和書店)、『うつ病新時代』(勉誠出版)、『うつ病の心理』(誠信書房)、『パンセ・スキゾフレニック』(弘文堂)ほか。
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今、「自己」は大きな岐路に立たされている。「自己」が最も輝いていた近代(モダン)は終焉し、危険を孕みつつ必要とされた青年期もその役割を終えた。「自己」はこの先、どこへ向かうのだろうか。心や意識の起源に遡り、言語や神話の意味を読み解きながら、メランコリー、スキゾフレニアなど臨床での知見を踏まえ、深い思考を紡いで到達したポストモダンの精神病理学。
第1章 〇・五秒の闇―いかにして意識は立ち上がるのか
第2章 世界が割れ、自己が生まれる―まなざしの到来
第3章 言語のみる夢―他者の呼びかけ
第4章 ピュシスとノモス―はじめに何が廃棄されたのか?
第5章 モダンとは何か―個の系譜学
第6章 メランコリー―死せる母
第7章 スキゾフレニア―最後に起源が目覚める時
第8章 さまよえる自己
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