若宮啓文
( わかみや・よしぶみ )1948年東京生まれ。70年に東京大学を卒業し、朝日新聞社に入社する。横浜、長野各支局を振り出しに、政治部長、論説主幹、主筆を経て、2013年1月退社。現在、国際交流センター・シニアフェロー。この間、延世大韓国語学堂に留学し、米国のブルッキングス研究所で客員研究員も務める。主な著書に『和解とナショナリズム』(朝日選書)、『忘れられない国会論戦』(中公新書)、『闘う社説』(講談社)、『ルポ現代の被差別部落』(朝日文庫)などがある。
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鳩山内閣の時に締結された日ソ共同宣言によってソ連との国交が回復し、シベリア抑留者の返還や日本の国連加盟などが実現した。しかしそれには、ソ連ばかりでなくアメリカの思惑や米ソの確執、それに何よりも自民党内の激しい権力闘争を克服しなければならなかった。同時に、「北方領土問題」はここから始まったのである。一九九〇年代以後に次々に明らかになった新資料を用いながら多くの謎を読み解き、日本外交の原型と可能性をも浮き彫りにする。
第1章 米ソがつくった領土問題
第2章 躍り出た主役たち
第3章 ドラマの始まり
第4章 幻に終わった「二島返還」
第5章 一か八か、河野一郎の勝負
第6章 重光の「豹変」とダレスの「恫喝」
第7章 「保守本流」の抵抗
第8章 鳩山一行、モスクワへの旅
第9章 フルシチョフとの一騎打ち
第10章 主役たちのその後
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