山極寿一
( やまぎわ・じゅいち )1952年、東京生まれ。京都大学大学院理学研究科博士課程単位取得退学、理学博士。日本モンキーセンター、京都大学霊長類研究所、京都大学大学院理学研究科等を経て、2014年より京都大学総長。人類学と霊長類学を専門とし、ゴリラから人類や文明の起源を探る。主著に『サル化する人間社会』(集英社インターナショナル)、『暴力はどこからきたか』(NHKブックス)などがある。
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人間は現在約三〇〇種いる霊長類の一種であり、人間の男性はさまざまな霊長類のオス性を受け継いでいる。また、人間の男女の違いは人間の男とサルのオスの違いよりも大きいことがしばしばある。それは人間の行動が生物学的な性差を色濃く反映し、霊長類の性差のある社会性から受け継いだ特徴を強く示したりするからである。本書では、サルからヒトへの進化を通じて、オスからオトコになるために人類が経験しなければならなかった事柄を検証し、現在の男という性を破滅に追い込んでいる原因を探る。
第1章 オスに求められること
第2章 メスと共存するために
第3章 セクシーなオスたち
第4章 父親の由来
第5章 オスたちの暴力
第6章 オトコの時代、男の未来
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