山脇直司
( やまわき・なおし )一九四九年青森県八戸市に生まれる。一橋大学経済学部卒業。上智大学大学院哲学研究科修士課程修了。一九八二年ミュンヘン大学にて哲学博士号を取得。現在、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻教授。専門は公共哲学、社会思想史。著書に『公共哲学とは何か』『社会思想史を学ぶ』(ともに、ちくま新書)、『社会とどうかかわるか』(岩波ジュニア新書)、『ヨーロッパ社会思想史』『グローカル公共哲学』(ともに、東京大学出版会)、『新社会哲学宣言』(創文社)他。
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人びとの間に広まるシニシズムや無力感、モラルなき政治家や経済人、やたらと軍事力を行使したがる大国―こうした大小さまざまの事態に直面して、いま「公共性」の回復が切実に希求されている。だがそれは、個人を犠牲にして国家に尽くした滅私奉公の時代に逆戻りすることなく、実現可能なものだろうか?本書は、「個人を活かしつつ公共性を開花させる道筋」を根源から問う公共哲学の世界に読者をいざなう試みである。近年とみに注目を集める「知の実践」への入門書決定版。
第1章 公共哲学は何を論じ、何を批判し、何をめざすのか
第2章 古典的公共哲学の知的遺産
第3章 日本の近・現代史を読みなおす
第4章 公共世界の構成原理
第5章 公共哲学の学問的射程
第6章 グローカルは公共哲学へ向けて
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