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ちくま新書

この国の未来へ 

——持続可能で「豊か」な社会

定価

748

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06345-8

Cコード

0233

整理番号

641

2007/02/05

判型

新書判

ページ数

208

解説

内容紹介

この国はこれからどうなるのか。ソフトウェア産業が経済の中枢を占めるポスト工業化社会では所得格差が拡大し、リスクと不確実性が増大し、自由競争の結果が「一人勝ち」に終わる。地球温暖化や資源の枯渇といった問題も深刻化する。こうした中で「持続可能な発展」を成し遂げ、本物の「豊か」な社会を実現させるには何が必要か。そのための処方箋を、教育、福祉、グローバル化、地球環境問題など多面的な視点から提示する。「調和ある社会」への道を指し示す、希望の書である。

目次

第1章 これからの「豊かさ」とは何か(日本人にとって「豊かさ」とは何だったのか?
達成感が災いしたのだろうか ほか)
第2章 社会全体の達成度とGDP(「主権」は消費者の手中にあるのだろうか
人類史における「偉業」とは)
第3章 日本の構造改革(今なぜ改革なのか
ユートピアなき時代の到来―変化への適応が決め手 ほか)
第4章 科学技術と持続可能な社会(「二十世紀型産業文明」の限界
二十世紀を顧みる ほか)
第5章 環境と経済(どんな温暖化対策があり得るか
地球温暖化対策の経済影響)

この本への感想

本書は、今を生きる私たちの視点から、この国の未来へ、をテーマとしております。
歪んだ世界、と叫ばれる今だからこそ、本書のような作品が一人でも多くの心構えに、響くことを願います。
また、本書で指摘があります、日本人、の達成感の受け止め方や今後迎えるであろうユートピアなき時代、より深刻化する環境への、作者・佐和隆光氏が私たちに発信した熱意は、今後の社会観に大きなインパクトを与えるものだと思います。最後に、社会は今、大きな変動の時期にあり、溺れるほどの情報があふれています。それに、溺れないように、振り回されないように、受け手自身最低レベルの知識を身に付けておく必要があると思います。そんなときに、ぜひ一度、この国の未来へ、を手にとってみてはどうでしょうか?

中尾昌稔

さん
update: 2007/03/24
機会平等のみならず、可能性の平等が求められること。そのためには公教育の整備・充実が不可欠であること。まさにそのとおりだと思います。今回の高等学校における未履修問題の背景には、私立の中高一貫校との制度面での不利を補いつつ子どもたちの希望を叶えようとした公立学校の教員の止むに止まれぬ事情もあったものと思います。

さざえ堂

さん
update: 2007/03/10

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