武田晴人
( たけだ・はるひと )1949年生まれ。経済学博士。専攻は日本経済史。東京大学大学院経済学研究科博士課程単位取得。現在、同大学院経済学研究科教授。近世から現代までの経済現象をさまざまな視角から研究している。主な著書に『日本産銅業史』(東京大学出版会)、『日本の歴史19 帝国主義と民本主義』『談合の経済学』(以上、集英社)、『日本人の経済観念』(岩波書店)などがある。
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資本主義であれ社会主義であれ、近代以降のあらゆる国家は「労働」を賛美してきた。しかし、こうした仕事観が常識となったのは、それほど昔のことではない。私たちの御先祖様は、金回りがよくなると、仕事を勝手に休んでいた。彼らは「労働の主人」たりえたのだ。それに比べて、現代の労働のなんと窮屈なことか。仕事の姿は、「会社」の誕生によって大きく変わったのである―。江戸時代から現代までの仕事のあり方をたどり、近代的な労働観を超える道を探る「仕事」の日本史200年。
第1章 豊かな国の今、問われる選択
第2章 「労働」という言葉
第3章 「仕事」の世界、「はたらき」の世界
第4章 「労働」観念の成立
第5章 時間の規律
第6章 残業の意味
第7章 賃金と仕事の評価
第8章 近代的な労働観の超克
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