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ちくま新書

3年で辞めた若者はどこへ行ったのか 

——アウトサイダーの時代

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『若者はなぜ3年で辞めるのか?』で昭和的価値観に苦しむ若者を描いた著者が、辞めたアウトサイダー達の「平成的な生き方」を追跡する。時代はこんなに変わっている!

定価

792

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06414-1

Cコード

0236

整理番号

708

2008/03/05

判型

新書判

ページ数

240

解説

内容紹介

すでに平成二〇年。いまだに、多くの会社で、昭和の時代から続く風習や決まりごと、働き方が支配している。『若者はなぜ3年で辞めるのか?』でその状況を描いた著者が、辞めた後の、いわば「平成的な生き方」とは何なのかを指南する。“完全実力主義の企業で数千万円稼ぐ若者”“建築現場から人事部長に転身した若者”など、アウトサイダーたちの挑戦と本音が語られる。自分がいかに昭和的価値観にとらわれているか、そして、時代が本当に変わりつつあることを実感できる。

目次

第1章 キャリア編(「若者は、ただ上に従うこと」―大手流通企業から外資系生保に転職、年収が二〇倍になった彼
「実力主義の会社は厳しく、終身雇用は安定しているということ」―新卒で、外資系投資銀行を選んだ理由
「仕事の目的とは、出世であること」―大新聞社の文化部記者という生き方 ほか)
第2章 独立編(「失敗を恐れること」―大企業からNFLへ
「公私混同はしないこと」―サラリーマンからベストセラー作家になった山田真哉氏
「盆暮れ正月以外、お墓参りには行かないこと」―赤門から仏門へ、東大卒業後、出家した彼の人生 ほか)
第3章 新世代編(「新聞を読まない人間はバカであるということ」―情報のイニシアチブは、大衆に移りつつある
「左翼は労働者の味方であるということ」―二一世紀の労働運動の目指すべき道とは)

著作者プロフィール

城繁幸

( じょう・しげゆき )

1973年山口県生まれ。東大法学部卒業後、富士通入社。人事部門にて、新人事制度導入直後からその運営に携わる。同社退社後に『内側から見た富士通「成果主義」の崩壊』(光文社 2004年)、『日本型「成果主義」の可能性』(東洋経済新報社 2005年)を著し、高い評価を得る。2006年『若者はなぜ3年で辞めるのか?』(光文社新書)で、若者が職場で感じる閉塞感の原因を探り、大ベストセラーとなる。仕事、雇用問題において、新鮮な視点でメディアに発信し続けている。人事コンサルティング「Joe’s Labo」代表。

この本への感想

 城氏の考えに、「まだ平成的価値観は醸成されていない」とあります。これは困難な点を一つ含んでいるといえます。
 というのは、「昭和的価値」と「平成的価値」は両方とも実は自民党政権下における価値の変奏だったからです。
 現在、民主党政権が成立して、三種類の価値変奏が感覚されます。
 自民党政権下における「昭和的価値」と「平成的価値」。後者が城氏の考えるように「まだ醸成されていない」とすれば、民主党政権化における「平成的価値」もまだ醸成されていないと考えられます。
 わたくしは城氏の考え方に賛成していました。ですから「平成的価値」大系のなかで生きていかなければなるまいと考えていましたが、それが醸成されていないことは将来的に醸成されると考え、楽観していたわけです。そして価値観が根本的に異なる政権の誕生となり、いわば「平成的価値」は「自民党政権下における平成的価値」と「民主党政権下における平成的価値」とに二分されたといえる状況です。
 前者の醸成を待ちつつ行動していたが、その体系的醸成を待たずして、新しい平成的価値の醸成を志さなければならない状況になったといえます。
 価値の三類型において、第一の価値類型は過去に属する。第二の価値類型は醸成されない状況で、第三の価値類型に移行した。第二の類型が確実でない状況で第三の価値に移行することの困難が最大の課題であると考えています。
 困難であるとは思いますが、時代状況は価値の三類型において過渡期にあると考えて間違いない。
 以上、感想です。
 乱文御海容願います。

                         草々

樋口淳一郎

さん
update: 2009/12/28

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