大庭健
( おおば・たけし )1946年埼玉県生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程修了。倫理学、分析哲学を専攻。現在、専修大学教授。著書に『はじめての分析哲学』(産業図書)、『他者とは誰のことか』『権力とはどんな力か』『自分であるとはどんなことか』(以上、勁草書房)、『私という迷宮』(専修大学出版局)、『私はどうして私なのか』『「責任」ってなに?』(以上、講談社現代新書)、『所有という神話』(岩波書店)、『善と悪』(岩波新書)などがある。
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フリーターが増加し、正社員とそうでない人の格差が広がっている。働く環境が悪化し、「こつこつ働いたところで何になる?」という諦念が蔓延しつつある。お金のため、自己実現のためという、仕事を手段化する感覚が広がるなか、「働く意味」を多くの人が実感できなくなっている。実際には私たちは、見知らぬ人々や自然といった「いのち」の連鎖のなかで生きているという視点から、「いま、働くことの意味」を問い直す。
はじめに―働く意味への問と、労働シニシズム
1 働く環境の破壊
2 何のために働くのか
3 人間の協業の仕組み
4 生きることと働くこと
現代における労働環境―結びに代えて
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