中島義道
( なかじま・よしみち )中島 義道(なかじま・よしみち):1946年福岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院人文科学研究科修士課程修了。ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士)。電気通信大学教授を経て、現在は哲学塾主宰。著書に『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)、『反〈絆〉論』(ちくま新書)、『私の嫌いな10の言葉』『私の嫌いな10の人びと』(以上、新潮文庫)、『生き生きした過去――大森荘蔵の時間論、その批判的解読』(河出書房新社)などがある。
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カントは日本でも有名な哲学者だが、同時にその難しさについても広く知られている。けれどもそれは翻訳のためばかりではなく、カント自身が論じている事柄そのものが難しいのだから、叙述もまた難しくならざるを得ない。では、どうすれば、日本語でより正確に理解できるようになるのだろうか。ここでは『純粋理性批判』を例に、これまで統覚、超越・覚知、予料、範疇などと訳されてきたキーワードを分かりやすい言葉に置き換えるなど、さまざまな工夫を試み、長年カントに親しんできた著者が、初心者でも近づける方法を提案する。
プロローグ カントはなぜ難しいのか?
第1章 実体としての魂の批判
第2章 意識の単なる形式としての私
第3章 経験を可能にする私
第4章 内的経験
第5章 他者
第6章 表象の手前―存在する私
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