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ちくま新書

世間さまが許さない!

——「日本的モラリズム」対「自由と民主主義」

定価

814

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06477-6

Cコード

0212

整理番号

777

2009/04/06

判型

新書判

ページ数

240

解説

内容紹介

ヨーロッパ人がその文化をもとに作った「自由と民主主義」は、日本人には向かない仕組みなのではないだろうか?―内心の多様性を前提として人々の行動を「ルール」でコントロールする「自由と民主主義」と、みんなが同じ「モラル」を共有していることを前提とする「日本的モラリズム」(世間さま主義)の間には致命的な矛盾がある。このミスマッチがもたらした社会的混乱の事例を豊富に挙げながら、民主制に代わる「世間さま制」(日本的コモンロー)の可能性をも思考実験する。

目次

第1章 本当に日本人が「ダメ」なのか?―「向かないことは無理にやらない」という選択肢もある(レストランで「みんなと同じ物」を注文して何が悪い?
本当に「文化を変える」必要があるのか?
日本人は「自由と民主主義」に向かないのではないか?)
第2章 何でもモラルで考える「日本的モラリズム」という文化―「同じモラル」を共有する同質の「世間さま」という信仰(「同じモラルの共有」を信仰してすがろうとする日本人
「システムの問題」を「モラルの問題」として考える日本人
国際関係も「日本の世間様のモラル」で考える日本人)
第3章 「日本的モラリズム」がもたらす「自由と民主主義」の機能不全―「超ルール的正義」=「モラル」による「自由」と「ルール」の無視(日本人は「自由」に向いていない
日本人は「民主主義」に向いていない)
第4章 「自由と民主主義」がもたらす「日本的モラリズム」の機能不全―「世間さま」の同質性破壊による「共通モラル」の崩壊(「神さま」は崩さないが「世間さま」を崩す自由と民主主義
「日本的モラリズム」の機能不全がもたらした混乱)
第5章 「世間さま制」にしたら?―「日本的コモンロー」のシステムという思考実験(「憲法」は廃止して「世間さまのモラル基準」で行く
「世間さまのモラル基準」に「法的拘束力」を持たせる
アメリカが「日本化」する日)

著作者プロフィール

岡本薫

( おかもと・かおる )

1955年生まれ。東京大学理学部卒。OECD科学技術政策課研究員、文化庁課長、OECD教育研究革新センター研究員、文科省課長などを経て、2006年1月から政策研究大学院大学教授。専門であるコロロジー(地域地理学)の視点から日本人のマネジメントの欠陥・改善策について研究・提言に取組む。著書に『Ph.P手法によるマネジメントプロセス分析』(商事法務)、『著作権の考え方』(岩波新書)、『日本を滅ぼす教育論議』(講談社現代新書)など多数がある。

この本への感想

発売直後から10冊程購入しました。
(著者からも1冊頂きましたが、、)

手元に残っているのは1冊だけで、親しい友人や「無理やり読ませたい相手」にプレゼントしました。

重田光雄

さん
update: 2012/02/10
これは非常に愉快である。
まさに日本のそして教育界にも通じる「不思議」さを鋭く切り込んだ内容である。
読んでいて痛快で、ぜひ現在の日本の疲弊した状況に疑問を持つ人は一読していただきたい。
勤務校の校長にでも読ませてやりたい。

赤旗に疑問をもつ一教員

さん
update: 2012/01/03

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