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ちくま新書

害虫の誕生

——虫からみた日本史

定価

792

(10%税込)
ISBN

978-4-480-06494-3

Cコード

0245

整理番号

793

2009/07/06

判型

新書判

ページ数

224

解説

内容紹介

江戸時代、虫は自然発生するものだと考えられていた。そのため害虫による農業への被害はたたりとされ、それを防ぐ方法は田圃にお札を立てるという神頼みだけだった。当時はまだ、いわゆる“害虫”は存在していなかったのだ。しかし、明治、大正、昭和と近代化の過程で、“害虫”は次第に人々の手による排除の対象となっていく。日本において“害虫”がいかにして誕生したかを、科学と社会の両面から考察し、人間と自然の関係を問いなおす手がかりとなる一冊。

目次

第1章 近世日本における「虫」(日本における農業の成立
江戸時代人と「蝗」
虫たちをめぐる自然観)
第2章 明治日本と“害虫”(害虫とたたかう学問
明治政府と応用昆虫学
農民VS明治政府
名和靖と「昆虫思想」)
第3章 病気―植民地統治と近代都市の形成(病気をもたらす虫
植民地統治とマラリア
都市衛生とハエ)
第4章 戦争―「敵」を科学で撃ち倒す(第一次世界大戦と害虫防除
毒ガスと殺虫剤
マラリアとの戦い)

著作者プロフィール

瀬戸口明久

( せとぐち・あきひさ )

1975年宮崎県生まれ。京都大学理学部(生物科学)卒業後、同大文学部(科学哲学科学史)卒業。同大大学院文学研究科博士課程修了。現在、大阪市立大学大学院経済学研究科准教授。生命科学と社会の界面に生じる諸問題について、科学技術史と環境史の両面からアプローチしている。共著に『トンボと自然観』(京都大学学術出版会、2004年)がある。

この本への感想

宮崎出身の作者ということに目が止まりました。私は 小さいころからの 10数回の引っ越しで 地域における 虫や天候 空気の色に興味がありました。私の二人の子供も 東海地方と関東地方の大学にいますが アレルギーはありませんが、東京に行くと、酸素が少ない、苦しいと 騒ぐ子たちです。最近 宮崎は南方の蝶が大量発生して 毎日10匹を目標に夕方30分で庭の蝶を 捕獲してます。きりがないのですが 薬を使いたくないので 無駄な抵抗と分かりつつ 捕り続け100匹は越えました。今住んでる町に来たとき  近所が 庭に害虫がいると どこも当然のように 薬の散布を行うのですが かめ虫をはじめ 害虫の種類によって 偏りがあることに ビックリしました。 生態系が狂ってるのではと思いました。
この本は この 10数年なんとなく 感じてたことの 答えの一つが あったような 気持ちになり 興味深いものでした。

k-k

さん
update: 2009/10/03

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