森正人
( もり・まさと )1975年香川県生まれ。三重大学人文学部准教授。関西学院大学文学研究科博士課程修了。著書には、『四国遍路の近現代――「モダン遍路」から「癒しの旅」まで』(創元社)、『大衆音楽史――ジャズ、ロックからヒップ・ホップまで』(中公新書)、『昭和旅行誌――雑誌「旅」を読む』(中央公論新社)、『歴史発見!――ロンドン案内』(洋泉社新書y)、『英国風景の変貌――恐怖の森から美の風景へ』(里文出版)などがある。
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笑顔の写真や体験談。フサフサになる、シャワーも強風もヘッチャラ、パッと振りかけるだけで倍に見えるなど、心動かされる宣伝コピー。薄毛対策の商品・産業が活況を呈している。医学の発展により男の頭皮は病院治療の対象にもなった。だが元来、ハゲは聡明さや頼りがいの象徴であり、改善すべきものという社会的認識はなかった。このコンプレックスはどこから生じたか。脱毛への不安と恐怖が生み出される背景は何か。身体への違和感、個人的な劣等感が社会化される過程を男たちの毛根から探り、理性では制御しきれない情動の一端を明らかにする。
第1章 身体、この悩ましきもの―チビか、デブか、ハゲか
第2章 薄毛問題の系譜―文明開化と高度成長の終焉
第3章 叩けば生える!―踊る民間療法
第4章 髪は長い友だち―カツラとファッション
第5章 お医者さんに相談だ―治療対象になった頭髪
あとがき 幻想の男らしさとオヤジの復権―光頭会に集う人々
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