森政稔
( もり・まさとし )1959年生まれ。東京大学法学部卒業。同大学大学院法学政治学研究科博士課程中退。筑波大学社会科学系講師などを経て、現在、東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻教授。専攻は政治・社会思想史。主要論文として、「体系と批判:初期プルードンの正義論」(『社会科学研究』1991年)、「民主主義を論じる文法について」(『現代思想』1995年)、「ナショナリズムと政治理論」(『ライブラリ相関社会科学7:ネイションの軌跡』2001 年)などがある。
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戦後政治の根本的欠陥を清算するべく、民主党への政権交代はなされた。だが、政策の迷走や権力恣意的な運用により支持を失い、「改革の改治」は無残な結末へといたる。あ?ニに残されたのは、自民党政権の圧倒的独走と、代表民主制への失望感だけだった―。政権交代とその後の政治はなぜ失敗したのか。その背景には、現代の世界的大変動のなかでデモクラシーが直面する困難がある。民主主義の意義と限界を思想的に問いなおし、日本政治の閉塞状況を打破するための条件を示す。
1 民主主義の苦境(「民主主義の終わり」、それとも「民主主義の過剰」?
政治の対立軸はどこにあるか
資本主義vs.民主主義?)
2 政権交代と日本の民主主義(戦後日本政治のあゆみ―政権交代まで
政権交代とその後の政治
民主党政権の失敗―その政治思想的検討
民主主義とは何か―政治の多様な側面)
3 民主主義の思想的条件(「ポスト物質主義」の政治―その意義と限界
知の変容と民主主義
有限で開かれた社会へ)
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