ちくま新書
歴史学はこう考える
松沢裕作
著
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この二〇年あまり、多くの国で格差の拡大が進んだ。経済は停滞し、国家の再分配政策も機能していない。そうしたなか、所得の低下に苦しむ人々の不安や怒りが、政治を大きく動かし、社会の分断をさらに深めている。いま、この不平等の問題を克服するためにどう考えればいいのか。本書では、私たちが尊重すべき「平等な関係」とは何かを根底から問いなおし、そうした社会を可能にするための制度を構想する。カント、ロールズ、セン、ハーバーマスらの議論を糸口に、現代の最難問にいどむ、政治思想の新たな基本書。
第1部 平等な関係(市民としての平等な地位
制度への不信
公共的価値
承認と連帯
連帯と社会統合)
第2部 社会保障と平等(社会的・経済的不平定への対応
社会的連帯とその理由
自律の保障
福祉国家の諸問題
社会保障の新たな構想
社会保障と政治経済)
第3部 デモクラシーと平等(デモクラシーにおける市民
民主的な正統化と理由の検討
熟議の制度
マス・デモクラシーと熟議
政治参加と代表の諸形態)
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