武田珂代子
( たけだ・かよこ )熊本県生まれ。米国・ミドルベリー国際大学モントレー校(MIIS)翻訳通訳大学院日本語科主任を経て、2011年より立教大学異文化コミュニケーション学部教授。MIISで修士号、ロビラ・イ・ビルジリ大学(スペイン)で博士号を取得。専門は翻訳通訳研究。著書に『東京裁判における通訳』、翻訳書に『ニュルンベルク裁判の通訳』(F・ガイバ著)『コリアン・シネマ』(H・イ著)(以上、みすず書房)、編著に『翻訳通訳の新地平』(晃洋書房)などがある。
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太平洋戦争の対日諜報戦で、捕獲した日本軍文書の翻訳、暗号解読、捕虜の尋問、プロパガンダ活動等に携わった言語官たち。終戦後は連合国軍の一員として戦犯裁判や、GHQの占領政策実施で不可欠な役割を果たした。米国、英国、オーストラリア、カナダは、語学兵をどのように動員したか。早い時期から重要性を認識して準備した国と、終戦間際になって慌てた国の違いは何だったのか。各国の言語官養成の実際、戦地での活躍、二世たちの葛藤…。貴重な記録から、日本語諜報の実像に迫る。
序章 熊本・九州学院に残された名簿
第1章 米軍における二世語学兵の活躍と苦悩
第2章 ロンドン大学と暗号解読学校
第3章 頓挫した豪軍の日本語通訳官養成計画
第4章 カナダ政府の躊躇
終章 戦争と言語
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