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ちくま新書

武士の起源を解きあかす

——混血する古代、創発される中世

武士はどこでどうやって誕生したのか。日本を長期間統治した彼らのはじまりは「諸説ある」として不明とされていた。古代と中世をまたぎ、日本史最大の謎に挑む。

定価

1,078

(10%税込)
ISBN

978-4-480-07178-1

Cコード

0221

整理番号

1369

2018/11/05

判型

新書判

ページ数

336

解説

内容紹介

武士はいつ、どこで、生まれたのか?七世紀ものあいだ日本を統治してきた彼らのはじまりについては、実ははっきりとした答えが出ていない。かつて教科書で教えられた「地方の富裕な農民が成長し、土地を自衛するために一族で武装し、武士となった」という説はでたらめで、都の武官から生まれたという説は確証がなく、学界は「諸説ある」とお茶を濁す。この日本史における長年の疑問を解消するために、古代と中世をまたにかけ、血統・都鄙・思想に着目し、武士の誕生の秘密を明らかにする。

目次

序章 武士の素性がわからない
第1章 武士成立論の手詰まり
第2章 武士と古代日本の弓馬の使い手
第3章 墾田永年私財法と地方の収奪競争
第4章 王臣家の爆発的増加と収奪競争の加速
第5章 群盗問題と天皇権威の転落
第6章 国司と郡司の下剋上
第7章 極大点を迎える地方社会の無政府状態―宇多・醍醐朝
第8章 王臣子孫を武士化する古代地方豪族―婚姻関係の底力と桎梏
第9章 王臣子孫を武士化する武人輩出氏族―「将種」への品種改良
第10章 武士は統合する権力、仲裁する権力
第11章 武士の誕生と滝口武士―群盗問題が促した「武士」概念の創出
終章 武士はどこから生まれてきたか―父としての京、母としての地方

著作者プロフィール

桃崎有一郎

( ももさき・ゆういちろう )

桃崎 有一郎(ももさき・ゆういちろう):1978年、東京都生まれ。2001年、慶應義塾大学文学部卒業。2007年、慶應義塾大学大学院文学研究科後期博士課程単位取得退学、博士(史学)。現在、武蔵大学文学部教授。専門は、古代・中世の礼制と法制・政治の関係史。著書に『平安京はいらなかった――古代の夢を喰らう中世』(吉川弘文館)『室町の覇者 足利義満――朝廷と幕府はいかに統一されたか』『武士の起源を解きあかす――混血する古代、創発される中世』(ちくま新書)』『「京都」の誕生―― 武士が造った戦乱の都』『平治の乱の謎を解く――頼朝が暴いた「完全犯罪」』(文春新書)などがある。

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