大正史講義【文化篇】
新たな思想や価値観、生活スタイルや芸術文化が生まれた大正時代。百花繚乱ともいえるこの時代の文化を、最新研究の視点から第一級の執筆陣24名が描き出す。
大正時代の日本は、さまざまな外来の文物を貪欲に受け入れ、豊かな社会の到来もあって新たな思想や価値観、生活スタイルや芸術文化を生み出した。労働運動がさかんになり、デモクラシーへの要求が強まるとともにナショナリズムも勃興する。教養主義が成立し、女性の地位が変わり始めるなか、大衆社会化によって多様な消費文化が生まれていった。百花繚乱ともいえるこの時代の文化を、二五人の研究者による最新成果を結集して、イデオロギーにとらわれることなく、正確に描き出す。
吉野作造と民本主義
経済メディアと経済論壇の発達
上杉愼吉と国家主義
大正教養主義―その成立と展開
西田幾多郎と京都学派
「漱石神話」の形成
「男性性」のゆらぎ―近松秋江、久米正雄
宮沢賢治―生成し、変容しつづける人
北原白秋と詩人たち
鈴木三重吉・『赤い鳥』と童心主義〔ほか〕
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