森毅
( もり・つよし )1928年東京生まれ。東京大学数学科卒業。京都大学教養部教授を長く務める。著書に『まちがったっていいじゃないか』(ちくま文庫)、『数学の歴史』(講談社学術文庫)、『対談 数学大明神』(安野光雅氏と共著、ちくま学芸文庫)ほか多数。2010年7月逝去。
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ベクトル解析は、電磁気学・流体力学などを学ぶ学生に必須の課程で、しばしば工学・物理系の応用数学とみなされがちである。しかし見方をかえて、基礎的な「1次元の線形代数学」から多次元への発展、「1変数の微積分」から多変数関数の微積分への発展、の段階の解析学と考えれば、大学教養課程の結節点ともみなしうる。それはより抽象度の高い、多様体へのゆるやかな第一歩である。本書では、そのような展開性のある位置づけのもとに、森一刀斎が「ベクトル解析のココロ」を開陳する。最終章に新たに、教育的側面を明らかにした「なぜベクトル解析
第0章 ベクトル解析とは
第1章 多変数の微分(正比例関数と微分
多変数の(同次)1次関数
多変数関数の微分
多変数の微分計算
陰関数
勾配ベクトル場
変数変換
2階微分
微分作用素の計算
関数関係
多様体
多様体上の関数)
第2章 多変数の積分(積分の概念
測度
微分と積分(1変数の場合)
多変数の積分
体積要素
線積分
面積分
回転
発散
微分と積分(多変数の場合))
第3章 なぜベクトル解析なのか―多次元世界の微積分
演習問題
練習問題解答
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