エティエンヌ・ド・ラ・ボエシ
( ら・ぼえし,えてぃえんぬ・ど・ )1530-63年。フランスの小都サルラ生まれ。早くにオルレアン大学に進学、法学とともに人文学への造詣を深める。54年にボルドー高等法院に評定官として着任、のちに同僚となるモンテーニュと友情を結ぶ。相次ぐ宗教争乱に対して、宮廷の宥和政策を支持し事態収拾に奔走したが、63年病に倒れモンテーニュに看取られながら世を去った。『自発的隷従論』は16歳か18歳のときに書き上げたとされる。
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圧政は、支配される側の自発的な隷従によって永続する――支配・被支配構造の本質を喝破した古典的名著。20世紀の代表的な関連論考を併録。 【解説: 西谷修 】
1,320
円978-4-480-09425-4
0131
-11-1
2013/11/06
文庫判
256
頁なぜみずから屈し圧政を支えるのか。支配・被支配構造の本質を喝破した古典的名著。シモーヌ・ヴェイユが本作と重ねて20世紀の全体主義について論じた小論と、政治人類学者ピエール・クラストルが本作をベースに「国家に抗する社会」としての未開社会を分析した論考を併録する。
自発的隷従論
一者支配の不幸/多数者が一者に隷従する不思議/自由への欲求が勇気を与える/自由はただ欲すれば得られる/民衆は隷従を甘受している/人間は自然状態において自由である/動物も自由を求める/圧政者の三種類/習慣としての隷従/スパルタ人とペルシア人/生来の隷従は自然と化する/自発的隷従の原因は習慣にある/圧政の排除には正しい意志が必要/自由を失うと勇敢さも失う/圧政者の悲惨/圧政者の詐術(一)――遊戯/圧政者の詐術(二)――饗応/圧政者の詐術(三)――称号/圧政者の詐術(四)――自己演出/圧政者の詐術(五)――宗教心の利用/フランス王の権威の正当性/小圧政者たち/小圧政者の哀れな生きざま(一)/圧政者の持続しない愛/友愛なき圧政者/小圧政者の哀れな生きざま(二)/神の裁きへの祈願
付論
付論収録に寄せて 西谷 修
服従と自由についての省察 シモーヌ・ヴェイユ
自由、災難、名づけえぬ存在 ピエール・クラストル
解説 不易の書『自発的隷従論』について 西谷 修
訳者あとがき
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