なぜ彼女たちは、JKリフレやデリヘルで働くのか?
生活保護費削減で機能しない公助
自己責任論と感情論に満ちた社会——
その狭間にあるグレーな業界に落ち込んだ彼女たちの
かすかな声を拾い上げた圧巻のルポルタージュ!
なぜ彼女たちは、JKリフレやデリヘルで働くのか?
生活保護費削減で機能しない公助
自己責任論と感情論に満ちた社会——
その狭間にあるグレーな業界に落ち込んだ彼女たちの
かすかな声を拾い上げた圧巻のルポルタージュ!
「JKに限りなく近い生き物たち」の集まる小部屋/派遣型リフレ=性風俗のアンチテーゼ/二次情報で塗り潰された世界/「未成年、メッチャ怖いです」
「清楚系ビッチ」かく語りき/「自分のやっていることをあまり意識すると病んでしまう」 /「自分を売って何が悪いの?」/リフレの世界で迷うみすずさん(十八歳)/「ちゃんとお金をくれれば、頑張れる」/「自分はリフレにはあまり向いていない」/「見えない魔球」をどう打ち返す?
立ちはだかる「二十歳の壁」/「彼女たちが一番欲しがっているもの」を探す/「ストーカーされることもサービスの一部」と語るひなさん(二十歳)/関西から出稼ぎに来ているゆずさん(十九歳)/「釣り広告」に騙されて参入したゆみかさん(二十歳)
二次情報を排除し、一次情報ベースで考える/「普通の仕事に戻れる自信がない」/感情論に基づく規制、空振りし続ける啓発活動/必要なのは、一次情報に基づく試行錯誤
隠れシングルマザーと風俗/人生の分岐点/なぜ生活保護はデリヘルに敗北するのか/未婚の妊婦
とにかく親から逃げたい/家族が「負債」になる/家族偏重の弊害/自宅よりも待機部屋が落ち着く/交際相手からのDV/男性側の事情
彼女たちを苦しめる、住まいの貧困(ハウジング・プア)/「ハウジングファースト」の重要性/ハウジングファーストの先駆け
中年女性のワーキングプアとデリヘル/「水」から始まり「風」に流れていく仕組み/ワーキングプア×ハウジングプア
5.働くから病むのか? 病んだから働くのか?障害者雇用枠に適応できず、風俗の仕事を選ぶ/「性風俗で働くからメンタルを病む」のではない/福祉的就労は性風俗に敗北した?
排除の連鎖が、多重債務の女性を生み出す/福祉でカバーできない「グレーな困難」/黒にも白にもなれない/性風俗で働く女性=社会課題を体現した存在
見た目はIT企業/待機部屋百景/独特の居場所感/「店をやめてから居場所がなくなった」/「居場所」の担い手①:店長/「居場所」の担い手②:女性スタッフ/「居場所」の担い手③:男性スタッフ/相手の立場を考えたコミュニケーション/「居場所」の担い手④:情報サイトの運営会社/昼と夜を行き来する、一般企業の会社員/「居場所」の担い手たちの背景にあるもの
タイムライン上での助け合い/「搾取モデル」ではなく「共助モデル」で理解せよ/搾取よりも恐ろしい共助の闇
いびつな共助が生み出す「マイルドな人身売買」/箔をつけるためAVに出演
主体性の欠如がもたらす泥沼/主体性や当事者意識を希薄化させる磁場/当事者意識を持たない方が稼げる?/あらゆるものが「見えなくなる」世界/見えない困難を「見える化」する
あらゆるものを「現金化」できる世界/現金化の果てにメンタルを壊した女性/仕事で病むのではなく、「お茶」で病む/自己責任思考 に囚われた彼女たち/性感染症も自己責任?/自己責任思考と本番
消えない過去と消せない画像/止められないネット上の誹謗中傷/誹謗中傷に耐えられる人はいない/やめた後も落ち着けない/アウティングのターゲットになる/税金と社会保険の壁
直引きこそが最強の収入?/子どもの認知問題/彼女たちが直引きに走る理由
現金化の果てに待ち構える奈落/奈落のシンデレラ/「正しさ」という病/福祉と風俗の狭間の奈落/社会的に丸裸にされるよりも、仕事で裸になる方がマシ/生活保護のパラドックス
「いるはずがない場所」にいる子どもたち/夜間保育とデリヘル/母子でデリヘル勤務/「彼女たちの欲しい答え」は、誰にも用意できない
「JKビジネス」スタディツアー/「JKビジネス」的な社会現象にどう向き合っていくか/繰り返される「届かない啓発」/「関所」を探し出せ/マンガでわかりやすく解説/彼女たちは「搾取の被害者」なのか?/彼女たちが求めるのは、「正解」ではなく「納得解」/「ライ麦畑のキャッチャー」であり続けるしかない?/「許さない」から「ハームリダクション」へ/「負けない福祉」をつくるために/待機部屋での医療相談/よりマシな「いびつさ」をデザインするために
ISBN:978-4-480-07387-7/定価:902円(10%税込)
240ページ/ちくま新書