養老孟司
( ようろう・たけし )1937年神奈川県鎌倉市生まれ。東京大学名誉教授。医学博士(解剖学)。『からだの見方』でサントリー学芸賞受賞。『バカの壁』(新潮社)で毎日出版文化賞特別賞受賞。同書は450万部を超えるベストセラー。対談、共著、講演録を含め、著書は200冊近い。近著に『養老先生、病院へ行く』『養老先生、再び病院へ行く』(中川恵一共著、エクスナレッジ)『〈自分〉を知りたい君たちへ 読書の壁』(毎日新聞出版)、『ものがわかるということ』(祥伝社)など。
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解剖学者である著者の仕事はモノを見ること。じっと見ては考える。ヒトの顔はどうして皆違うのか?ヒトにはなぜヒゲがないのか?対象ばかりでなく、対象を見ているヒトも視野に入れて考える。そうすると、還元主義に陥った今日の自然科学の不都合がわかるものだ。簡潔にして明析な文体で認知科学・進化論などを語った科学エッセイ集。
ヒトの見方について
形を扱う
機械論と機能論
科学の作ったバベルの塔
脈絡のある事実
人体のイメージ
生物学と自由―渡辺慧『生命と自由』
世界の緊張関係―森政弘編『生きもののデザイン』
私の視覚―大森荘蔵『新視覚新論』
剰余とアナロジー
顔の見方
ヒトにはなぜヒゲがないのか
形態と機能からみた人間
単純なる前提―丸山工作『筋肉のなぞ』
縦断的な方法―小野三嗣『ひげの科学』
丈夫な哲学の必要―香原志勢『人体に秘められた動物』
進化と進化論―生物と人間における時間の超克
形態学からみた進化―進化の要因論と過程論
進化は歴史である―G.C.シンプソン『馬と進化』
「真理は1つ」という誤解―今西錦司『主体性の進化論』柴谷篤弘『今西進化論批判試論』
進化を見る―D.アテンボロー『地球の生きものたち』
トガリネズミからみた世界―形態から推理する
ネズミのヒゲと脳
わが始祖、食虫類に魅せられて
人は慣れる
にわか坊主
虫が好く
虫の楽しみ
われらが内なる「虫」
チョウを見る―海野和男『チョウの世界』
レオナルドの解剖図展
鴎外とケストラー
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