安野光雅
( あんの・みつまさ )安野 光雅(あんの・みつまさ):1926年島根県津和野生まれ。画家・絵本作家として、国際アンデルセン賞、ケイト・グリーナウェイ賞、紫綬褒章など多数受賞し、世界的に高い評価を得ている。主な著作に『ふしぎなえ』『ABCの本』『繪本平家物語』『繪本三國志』『片想い百人一首』などがある。2020年、逝去。
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「世の中はいろんな立場、いろんな考え方が入り混じって、とても複雑にできてるんだ。その中を君は生きて行かねばならぬ、やっと君は山道にさしかかったんだ。その道のりを苦しいと思うか、楽しいとみるかも、自分の感じ方次第だ。」―悩み多き年頃を迎えた少年への44の手紙を通じて語られる若者への熱いメッセージ。
サンタクロースにもらったプレゼントのこと。「君たちはどう生きるか」の真似みたいだけど、「走れメロス」のことをいう前にいっておきたい「先入観」のこと。そして、犯人を投票で探そうとしたはなし。
映画「運命の饗宴」の中の、同窓会で財布がなくなったはなし。先入観をなくして、ゼロから考えると、本当のものが見えてくるということ。
先入観をなくして「走れメロス」のことを考えるために、もう一度横道にそれて、浜田広介の「ないた赤おに」を読んでみよう。鬼とはなにか、ゼロから考えてみる必要がありそうだ。
鬼のモデルは人間だった。鬼という敵をつくることによって、もう一方の人間の安全をはかろうとしたようすが見えると、馬場あき子はいう。この手紙のなかにニタッと笑えるしかけもある。
「走れメロス」とシラーの詩。「必ず、邪知暴虐の王を除かねばならぬと決意した」メロスと、たまたまこれを書いている今、つまり1986・2・25のフィリピンのアキノ政権の樹立と無血革命のこと
メロスは、友に一切の事情を語った。セリヌンティウスは無言でうなずいた。甘んじて人質になる。そして縄をうたれる。メロスは出発する。初夏、おりしも満点の星である。
妹の結婚式を無事すませたメロスはシラクサの町にとって?ゥえす。しかし河は氾濫し、行く手をふさぐ兵士もいる。その中をメロスは黒い風のように走る。そして、危機一髪メロスは刑場に突入する。
シェイクスピアの戯曲「ヴェニスの商人」のはなし。ポーシャに恋をしたバッサーニオのために、いわば人質になるアントーニオの場合。憎まれ役の高利貸シャイロックの立場。
ボート・ピープルと、歴史的なユダヤ人の迫害。「アンネの日記」を残し、ユダヤ人収容所で死んだアンネのこと。そして“いじめ”のこと。
どうもホテル代がたかいと思っていたら、その日はたまたまベニス恒例の“海の祭り”だったはなし。〔ほか〕
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