中国古典小説史 ─漢初から清末にいたる小説概念の変遷

大塚 秀高

中国において〈小説〉はいかに芽生え、発展していったのか。講唱文芸と小説の関係など、独自の視点によって漢初から清末までの歴史を概観する。

中国古典小説史 ─漢初から清末にいたる小説概念の変遷
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,430円(税込)
  • Cコード:0198
  • 整理番号:オ-38-1
  • 刊行日: 2024/04/10
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:304
  • ISBN:978-4-480-51236-9
  • JANコード:9784480512369
大塚 秀高
大塚 秀高

オオツカ ヒデタカ

大塚 秀高(おおつか・ひでたか):1949年東京生まれ。東京大学文学部中国語中国文学科卒、同大学院博士課程単位取得満期退学。埼玉大学名誉教授。専門は中国古典小説。著書に『増補 中国通俗小説書目』(汲古書院)など。

この本の内容

古代中国において「つまらぬ言説」を意味した“小説”。それが歴史のなかでいかに変貌を遂げていったかを、漢初から清末まで各時代を代表する作品を取り上げながら追っていく。小説の起源における語部と道家との関係、怪異な事件を記録する「志怪」からフィクションとしての性格を持つ「伝奇」が生まれたこと、そこにおいて僧侶が果たした役割、そして明末の長篇伝奇小説が黄色小説へと移行し、それが清初の才子佳人小説を育んでいったこと…。著者独自の視点と15のテーマを通し、中国古典小説の特色を浮かび上がらせる。

この本の目次

第1章 小説と物語―史家と方士たち
第2章 志怪から伝奇へ―史家と読者における変化
第3章 仏教と説教―応験記と遊行僧
第4章 二都の夢―新たな「小説」の誕生
第5章 神話の没落―〓から五通へ
第6章 類書から通俗類書へ―伝奇小説の変遷その一
第7章 短篇小説だった水滸伝―長篇小説の育たぬわけ
第8章 法家と小説家の間―公案概念の変遷
第9章 包龍図の登場―講唱文芸のとりで
第10章 幽霊さまざま―伝奇小説の変遷その二
第11章 話本から小説へ―輯佚と創作
第12章 伝奇から小説へ―礼教と女性の運命
第13章 白蛇伝の変遷―民衆のはぐくむもの
第14章 金瓶梅から紅楼夢へ―才子佳人小説と佳人の男装
第15章 さまざまな小説―清末小説にいたる流れ

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