アルプスの谷に亜麻を紡いで

この物語はひそやかに六百年の歳月を生き継いできた男と女への敬虔なる讃歌である。愛すべき人びとの喜びと苦しみに温かいまなざしを向けてつづられた生活誌。

アルプスの谷に亜麻を紡いで
  • シリーズ:単行本
  • 1,980円(税込)
  • Cコード:0000
  • 整理番号:
  • 刊行日: 1986/03/28
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:四六判
  • ページ数:316
  • ISBN:4-480-85304-9
  • JANコード:9784480853042

この本の内容

人びとは、あの金色に輝く亜麻のように、その人生の布を綾織ってきた。無告の民の営々とした暮らしが人間の歴史を作ってゆく。東アルプスの小さな村Maria Luggau。そこに沢蟹のようにひそやかに生きた人びとの600年の歳月がある。この物語はその人びとへの敬虔なる讃歌である。そしてまた、私たちが必ずしもヨーロッパを知ってはいないことを知らせる。何を食べ、何を着て、どこに住んでいるのか? かれらは家族を愛しているか? このいとしきものに幸いあれ!

この本の目次

アルプスの谷間に声が聞こえる。
ヨゼファおばあさんの半生と時代―だいじょうぶ。夜中にはだれも飢え死にしないんだよ。
世紀を越えて―テレジアおばあさん―台所では肉も壁も天井も、人間だって燻されちまった。
女と仕事―亜麻の咲き輝いて花嫁あり。
ザーラッハ・600年の歳月―ご先祖さまはどうしてこんな高い所に家を建てたのだろう。
1960年代・進歩への懐疑―いまの時代が悪いと言うのではない。しかし、昔尊かったことが、いまは打ち消されてしまった。
村人となったクリスチーネ先生―この村の人はよく言えばしっかり、悪く言えば頑固。
ふたりの貯金“ボルツァーノ”―畑に麦が立っている間は踊ってはいけない。
元ナチス親衛隊員フランツの挫折と再起―森へ呼びかけると、そのようにこだまが戻ってくる。
そうだ、それがわれわれの人生だった。

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