魚住孝至
( うおずみ・たかし )一九五三年兵庫県生まれ。八三年東京大学大学院人文科学研究科博士課程単位取得満期退学。文学博士。現在、国際武道大学教授、国際日本文化研究センター共同研究員。専門は倫理学、日本思想、実存思想、身体文化。著書に『宮本武蔵──日本人の道』(ぺりかん社)、『定本五輪書』(新人物往来社)、『宮本武蔵──「兵法の道」を生きる』(岩波新書)、編著に『諸家評定──戦国武士の「武士道」』(新人物往来社)ほか。
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旅に病んで夢は枯野をかけめぐる―松尾芭蕉、最後の句として知られる死の四日前深夜の「病中吟」である。日々旅にして旅を栖とした俳聖の、最期のイメージに相応しい。けれども実はその翌朝、弟子二人を枕頭に呼び「清滝や波に散り込む青松葉」を遺している。「改作」というのだが、これこそが辞世の句である。「不易流行」「軽み」そして最後の一句へと、境涯深まる芭蕉最晩年の五年半に焦点を当て、その実像に迫る。
第1章 「芭蕉」の誕生―旅と庵住
第2章 「おくのほそ道」の旅の実際
第3章 「不易流行」―俳諧の古典へ
第4章 芭蕉庵での晩年の生活
第5章 作品『おくのほそ道』の誕生
第6章 芭蕉、最後の一句
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