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筑摩選書

教養派知識人の運命

——阿部次郎とその時代

『三太郎の日記』による栄光の後に襲ってきた波乱。同時代の知識人との関係や教育制度から、大正教養派の代表者に迫る社会史的評伝。

阿部次郎文化賞(第三六回)

定価

2,200

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01672-0

Cコード

0336

整理番号

165

2018/09/12

判型

四六判

ページ数

464

解説

内容紹介

大正教養主義の代表者・阿部次郎。その著『三太郎の日記』は自己の確立を追求した思索の書として、大正・昭和期の学生に熱烈に迎えられた。だが、彼の人生は、そこをピークに波乱と翳りに包まれていく―。本書は、同時代の知識人たちとの関係や教育制度から、阿部次郎の生涯に迫った社会史的評伝である。彼の掲げた人格主義とはいかなるものであったのか。落魄のなかでも失われなかった精神の輝きに、「教養」の可能性を探る。

目次

阿部記念館
前途暗澹
捨てる神あれば拾う神あり
運動部系vs.文藝部系
高等遊民の群に
「ファースト・アベはなんにもしない」
スターダムに
岩波書店の看板学者になるも
人格主義という倫理的前衛
雉も鳴かねば
大学教授バブル
小春日和の中の嵐
哲郎の憤怒と能成の毒舌
残照
三女の執念
次郎の面目

著作者プロフィール

竹内洋

( たけうち・よう )

1942年、東京都生まれ。京都大学教育学部卒業。同大学院教育学研究科博士課程単位取得満期退学。京都大学大学院教育学研究科教授などを経て、現在、関西大学東京センター長。関西大学名誉教授・京都大学名誉教授。教育社会学・歴史社会学専攻。著書に『日本のメリトクラシー』(東京大学出版会、第39回日経経済図書文化賞)、『革新幻想の戦後史』(第13回読売・吉野作造賞)『清水幾太郎の覇権と忘却』(ともに、中公文庫)、『社会学の名著30』(ちくま新書)、『教養主義の没落』『丸山眞男の時代』(ともに、中公新書)、『大衆の幻像』(中公公論新社)、『立志・苦学・出世』(講談社学術文庫)など。

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