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筑摩選書

悟りと葬式

——弔いはなぜ仏教になったか

悟りと解脱を目ざすはずの仏教が、なぜ葬祭を行なっているのだろうか。仏教が辿ってきた歴史を、土着信仰との結びつきなど、民俗学的見地を交えて俯瞰する。

定価

1,870

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01770-3

Cコード

0315

整理番号

253

2023/04/12

判型

四六判

ページ数

272

解説

内容紹介

出家者の悟りのための宗教として機能していた仏教が在家者の葬式のための宗教としても機能するようになったのはなぜか。布施、葬式、戒名、慰霊、追善、起塔それぞれの始まりを求め、アジア各地の仏教を探っていく。悟りを開いた出家者の霊力に対し、在家者が抱懐する聖者崇拝。布施をくれる在家者の要望に応え、出家者が受容する土着習俗。仏教学、民族学、文化人類学の成果をもとに、アジア各地に共通の背景を解明し、弔いが仏教となっていく過程を俯瞰する。

目次

序章 それぞれの仏教
第1章 布施の始まり
第2章 葬式の始まり
第3章 戒名の始まり
第4章 慰霊の始まり
第5章 追善の始まり
第6章 起塔の始まり
終章 葬式仏教の将来
付録 『浄飯王般涅槃経』の真偽をめぐって

著作者プロフィール

大竹晋

( おおたけ・すすむ )

大竹 晋(おおたけ・すすむ):一九七四年岐阜県生まれ。筑波大学卒、筑波大学大学院哲学・思想研究科修了。博士(文学)。京都大学人文科学研究所や花園大学の非常勤講師などを経て、現在、仏典翻訳家。著書『宗祖に訊く』『大乗起信論成立問題の研究』『大乗非仏説をこえて』『現代語訳 最澄全集(全4巻』』(以上、国書刊行会)、『唯識説を中心とした初期華厳教学の研究』『元魏漢訳ヴァスバンドゥ釈経論群の研究』(以上、大蔵出版)、『「悟り体験」を読む』(新潮選書)など。

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