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筑摩選書

日本人無宗教説

——その歴史から見えるもの

「日本人は無宗教だ」とする言説の明治以来の系譜をたどり、各時代の日本人のアイデンティティ意識の変遷を解明する。宗教意識を裏側から見る日本近現代宗教史。

定価

1,870

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01773-4

Cコード

0314

整理番号

255

2023/05/16

判型

四六判

ページ数

272

解説

内容紹介

「日本人は無宗教だ」とはよく聞くが、最初にそう言ったのはどこの誰か? 新聞の言説を分析することによって、じつはその言説は明治初期からあることがわかった。そして、「日本人は無宗教だから、大切な〇〇が欠けている」という"欠落説"から、1960年代以降に「無宗教だと思っていたものは、"日本教"のことだった」「自然と共生する独自の宗教伝統があるのだ」とポジティブに転換する説へと転換してきたこともわかってきた。徹底的に言説分析の方法をとることで、日本人のアイデンティティの歴史を「無宗教説」の変遷に見出していく、気鋭の宗教学者たちによるまったく新しい切り口による研究成果。

目次

第1章 無宗教だと文明化に影響?―幕末?明治期
第2章 無宗教だと国力低下?―大正?昭和初期
第3章 無宗教だと残虐に?―終戦直後?一九五〇年代
第4章 実は無宗教ではない?―一九六〇?七〇年代
第5章 「無宗教じゃないなら何?」から「私、宗教には関係ありません」に―一九八〇?九〇年代
第6章 「無宗教の方が平和」から「無宗教川柳」まで―二〇〇〇?二〇二〇年

著作者プロフィール

藤原聖子

( ふじわら・さとこ )

藤原 聖子(ふじわら・さとこ):東京大学大学院人文社会系研究科教授。専門は比較宗教学。著書『世界の教科書でよむ〈宗教〉』(ちくまプリマー新書、2011 年)、『ポスト多文化主義教育が描く宗教』(岩波書店、2017年)、『宗教と過激思想』(中公新書、2021年)など。

お詫びと訂正

2023年5月15日発行の藤原聖子編著『日本人無宗教説』(筑摩選書)第1刷に、
編集上のミスによる誤りがございます。お詫びとともに訂正いたします。

P.27 最終行
【誤】『米欧回覧記』
【正】『米欧回覧実記』

P.45 図版キャプション
【誤】宗教画の風刺画
【正】宗教家の風刺画

P.47 図版キャプション
【誤】キリスト教国と「文明」的戦闘を表す風刺画。
【正】キリスト教国との「文明」的戦闘を表す風刺画。

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