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筑摩選書

風土のなかの神々

——神話から歴史の時空を行く

高千穂・日向・出雲の景観問題解決に奔走した著者が神話の舞台を歩き、記紀編纂の場である飛鳥の遺跡に立って、古代の人々が神々に託した真意を明らかにする。

定価

1,870

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01776-5

Cコード

0321

整理番号

258

2023/06/14

判型

四六判

ページ数

272

解説

内容紹介

日本の神々とは日本人にとってどのような存在だったのか。神々は日本の風土のなかでどのような役割を担っているのか。日本の神は、自然を畏敬し国土の安寧を願う出雲系と、天皇による国家支配を正当化する高千穂・日向系に分かれる。高千穂・日向・出雲で景観問題の解決に奔走した著者が神話の舞台を歩き、「古事記」「日本書紀」編纂の場である飛鳥の遺跡に身を置いて、神々の来歴にひそむ謎を解く。

目次

序章 女神はなぜ洞窟に隠れたか―高千穂神話の世界から
第1部 出雲の神々の世界へ(スサノオの国づくりと和歌の起源―出雲平野の「我が心すがすがし」
斐伊川水系大治水計画―昭和・平成のオロチ退治
天下経営の大神―出雲大社表参道神門通りの道づくり
水に臨む神々―城原川流域委員会
疫病神の活躍―鞆の浦まちづくり)
第2部 風土に生きる神々(巨大ナマズと戦う神々―要石とプレートテクトニクス
「ふるさと見分け」の方法―姥ヶ懐・裂田溝の危機
白き山の姫神―在地神と外来神
座問答―古代の大合併と合意形成の知恵
神々誕生の海岸―宮崎海岸侵食対策事業)
第3部 神話から歴史への旅(飛鳥にて―『古事記』『日本書紀』編纂スタートの地
神話と歴史をめぐる三つの疑問
飛鳥浄御原宮―神話と歴史を編む
前例としての日本神話
古代からの伝言―危機の時代のリスクマネジメント)

著作者プロフィール

桑子敏雄

( くわこ・としお )

桑子 敏雄(くわこ・としお):一九五一年群馬県生まれ。哲学者。東京工業大学名誉教授、一般社団法人コンセンサス・コーディネーターズ代表理事。一九七五年東京大学文学部哲学科卒業、同大学院博士課程修了。南山大学助教授などを経て東工大へ。一九九九年に上梓した『環境の哲学』が建設省官僚の目に留まり、政策提言を求められ、公共事業(ダム建設など)の地元住民の合意形成にかかわるようになる。「ふるさと見分け」「市民普請」を提唱。東京工業大学リベラルアーツセンター長もつとめた。著書に、『環境の哲学――日本の思想を現代に活かす』(講談社学術文庫) 、『感性の哲学』『西行の風景』(日本放送出版協会一九九九、二〇〇一年)、『日本文化の空間学』(東信堂、二〇〇八年)『生命と風景の哲学――「空間の履歴」から読み解く』(岩波書店、二〇一三年)、『わがまち再生プロジェクト』(角川書店、二〇一六年)、『何のための「教養」か』(ちくまプリマー新書、二〇一九年)など多数。

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