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筑摩選書

都市社会学講義

——シカゴ学派からモビリティーズ・スタディーズへ

都市を語ることはなおも可能か?

都市社会学は都市に何を見てきたか。たえず変調しつづける現代世界においてなお、都市を論じる意味はどこにあるのか。第一人者がその現状と可能性を鋭く問う。

定価

1,870

(10%税込)
ISBN

978-4-480-01810-6

Cコード

0336

整理番号

293

2024/12/16

判型

四六判

ページ数

256

解説

内容紹介

20世紀の「衝撃都市」シカゴから現代のトランジション・シティまで
都市/都市社会学の軌跡をたどり、その現状と可能性を問う

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都市社会学とはどんな学問か。絶えず変調しつづける現代世界において、なおも都市という場に注目する意味とは何だろうか。20世紀初頭の「衝撃都市」シカゴに花開いた古典的な都市社会学やその批判者であるニュー・アーバン・ソシオロジー、世界経済の緊密化とともに台頭する空間論や移動論的転回。そこで何が問われ、何が見落とされてきたか。長年、都市社会学やコミュニティ研究を主導し、モビリティーズ・スタディーズの導入に尽力してきた著者が都市/都市社会学の軌跡をたどり、その現状と可能性を問う。
===

モビリティーズ・スタディーズが明かす、来たるべき都市社会学の諸相
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「都市社会学は草創期以降こんにちに至るまで、その連続と断絶の理論的地平において、多かれ少なかれ都市の自覚化形態、つまり自らの立ち位置を問い直すものとして存続してきた。だからこそ、通説としての理解を越える本書は、単にあたらしいテキストとしてあるだけでなく、パラダイムシフトのための内的な与件を備えている」(「まえがき」より)
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目次

まえがき
第I部 はじまりとしての都市社会学──シカゴ学派社会学とシカゴ的世界
第1章 社会科学から社会学へ──制度化のプロセス
第2章 生成期から展開期のシカゴ学派都市社会学
第3章 パークからワースへ──本流か傍流か?

第II部 もうひとつの都市社会学の展開に向けて──さまざまな批判理論と空間論の台頭
第4章 拡散する批判理論と「都市イデオロギー」論
第5章 「没空間の時間論的偏向」再論
第6章 シカゴ・モノグラフを読む
補論1 ディープジャカルタを訪ねて──カンポンに関する一覚書

第III部  もうひとつの都市社会学の領野/基層──空間論的転回、移動論的転回、そしてモビリティーズ・スタディーズ
第7章 起点としての空間論的ルネサンス
第8章 空間論的転回から移動論的転回へ(1)──空間/場所と時間の再審
第9章 空間論的転回から移動論的転回へ(2)──ルフェーヴルとジンメル
第10章 モビリティーズ・スタディーズの理論的座標軸(1)──創発とは何か
第11章 モビリティーズ・スタディーズの理論的座標軸(2)──脱主体の機制
第12章 ハーヴェイ、アーリとモビリティーズ・パラダイム

第IV部 トランジション・シティの方位と実相
第13章 都市社会学の脱構築のために
第14章 トランジション・シティの「いま・ここ」と「これから」(1)──その諸相
第15章 トランジション・シティの「いま・ここ」と「これから」(2)──デジタル化の光と影
補論2 トランジション・シティと一九二〇年代シカゴの都市的世界
終章 シカゴ学派再考の理論的地平から
あとがき/参考文献

著作者プロフィール

吉原直樹

( よしはら・なおき )

吉原 直樹(よしはら・なおき):1948年生まれ。慶應義塾大学経済学部卒業、同大学院社会学研究科社会学専攻博士課程単位取得退学。社会学博士。東北大学大学院文学研究科教授、大妻女子大学社会情報学部教授、横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院教授などをつとめる。東北大学名誉教授。専攻は都市社会学、コミュニティ研究、社会学理論。著書に『コミュニティと都市の未来』(ちくま新書)、『コミュニティ・スタディーズ』(作品社)、『都市社会学』『都市空間の社会理論』『都市とモダニティの理論』『モビリティと場所』(以上、東京大学出版会)、『コミュニティを再考する』(共著、平凡社新書)など多数。

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