種村季弘
( たねむら・すえひろ )種村 季弘(たねむら・すえひろ):1933-2004年。東京都生まれ。東京大学文学部卒業。ドイツ文学者。該博な知識人として文学、美術、映画から魔術、神秘学にいたるまで多彩なジャンルにわたり執筆活動を展開した。著書に『ビンゲンのヒルデガルドの世界』(芸術選奨文部大臣賞、齋藤緑雨賞受賞)、『書国探検記』、『魔術的リアリズム』など、翻訳書に『パニッツァ全集』(全3巻)などがある。
loading...
書物の頁を繰ると、そこから不思議な幻想世界への旅がはじまっていた。戦中から焼跡へ、さらに未来へと、失われた都市の相貌を求めて、通り過ぎた奇人、変人、そして凡人たちの顔を探して、書物めぐりの旅は続く。名著、奇書、珍本…博覧強記の筆者による異色の読書案内。
名前と肩書の研究―『潮文化人手帖』
不思議な節穴―武井武雄『戦中気儘画帳』
畸人ぎらい―色川武大『怪しい来客簿』
猫が食いたい―石堂淑朗『好色的生活』
吸血鬼入門―種村季弘『吸血鬼幻想』
見えない人間―『定本山之口貘詩集』
開かれた箱―坂根巖夫『遊びの博物誌』
悪への郷愁―高垣眸『豹の眼』
泥棒繁盛記―野尻抱影『大泥棒紳士館』
分家開き―谷崎潤一郎『秘密』
二階の話―古今亭志ん生『2階ぞめき』
我が闘争―吉田健一『流れ』
逃げた浅草―『正岡容集覧』
九段の怪談―内田百(けん)『遊就館』
見世物今昔考―江戸川乱歩『パノラマ島奇談』
大食のすすめ―武田百合子『富士日記』
接続法第二式―『木村・相良独和辞典』
ベルリッツ・スクール―イヨネスコ『授業』
書かれなかった本―四方八郎『ビルマ革命の内幕』
Kilroy was here―ドウス昌代『東京ローズ』
留学の成果―久生十蘭『新西遊記』
何でもないものの魅力―武田泰淳『新・東海道五十三次』
本書をお読みになったご意見・ご感想などをお寄せください。
投稿されたお客様の声は、弊社HP、また新聞・雑誌広告などに掲載させていただくことがございます。