臼井吉見
( うすい・よしみ )臼井吉見(うすい・よしみ):1905-87。長野県に生まれる。編集者、評論家、小説家。旧制松本高校を経て東京帝国大学国文科卒業。旧制伊那中学、松本女子師範学校などで教員を務めた後、古田晁、唐木順三、中村光夫らと1940年、筑摩書房を創立。戦後、『展望』を創刊し編集長として論壇に新風を送る一方、自らも評論、小説に健筆をふるう。『近代文学論争』(筑摩書房)で芸術選奨文部大臣賞(1956年)を、『安曇野』(全五巻、筑摩書房)で谷崎潤一郎賞(1974年)を受賞。
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5600枚におよぶ近代日本百年にわたるドラマの完結篇。戦後、新たに出直した新宿中村屋は、苦難のうちにも発展し、次代へと受けつがれていく。敗戦の混乱と無秩序の激動期に、石川三四郎、柳田国男、中野重治ら知識人は、何を考え何を願っていたかを中心に、戦後の日本と日本人の動きをとらえ、さらに作者が自ら一登場人物となり軍隊の姿を描き出し、天皇制・戦争責任の問題などに触れながら、現在の「うつろな繁栄」の正体に迫ろうとする大作。
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