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ちくま文庫

山田風太郎明治小説全集 1

——警視庁草紙(上)

新生警視庁と、消えゆく奉行所の面々の知恵くらべ。川路利良、駒井相模守、大久保利通、三遊亭円朝らを巻き込んで奇怪な事件は、謎を生む。

定価

1,265

(10%税込)
ISBN

978-4-480-03341-3

Cコード

0193

整理番号

-22-1

1997/05/22

判型

文庫判

ページ数

496

解説

内容紹介

初代警視総監川路利良を先頭に近代化を進める警視庁と元南町奉行駒井相模守、元同心、元岡っ引の知恵と力を駆使した対決を2冊で送る。大久保利通、岩倉具視、一葉、山田浅右衛門ら実在の人物と架空の人物が銀座煉瓦街を駆けめぐる。

著作者プロフィール

山田風太郎

( やまだ・ふうたろう )

1922年、兵庫県養父郡の医家に生まれる。『甲賀忍法帖』『くノ一忍法帖』などで数々の“風太郎忍法”を生み出し忍法帖ブームをまきおこす。『警視庁草紙』などの明治を舞台にした小説や、『戦中派不戦日記』『戦中派虫けら日記』などの日記文学、『人間臨終図巻』をはじめ死を見つめた著書等多数。1997年第45回菊池寛賞を受賞。 2001年、尊敬する江戸川乱歩と同じ、7月28日没。

この本への感想

山田風太郎の真価を見たような思いです。
交錯する実在、架空の人物が産声を上げたばかりの帝都を
跳梁跋扈。
思わず快哉を挙げたくなる伏線。
幼少時の露伴や一葉、漱石が脇役で登場しにやりとさせられます。
特に三遊亭円朝が巻き込まれた事件から
牡丹灯籠の着想を得るとういう第一話にうなるばかりでした。
警視庁で巡査を勤める斉藤一や元見回り組隊士も登場しますから、
新選組ファンも食指が伸びるでしょう。
忍法帖シリーズも抜群な面白さですが、
明治物は上回る面白さも知れません。
蠱惑的で官能的な山風スタイルも健在です。

他の明治物はデッドストックのものがほとんどで、
中古市場でも高値がついています。
極上のエンターテイメントを
眠らせておくには余りにも惜しい。
文庫全集の重版を切に切に願います。
筑摩書房様、何卒々々宜しくお願い致します。
もし、重版されたら、全巻箱ごと買います。

bonita

さん
update: 2007/03/27

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