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ちくま文庫

内田百閒集成 9ノラや

——ノラや

定価

1,100

(10%税込)
ISBN

978-4-480-03769-5

Cコード

0195

整理番号

-12-10

2003/06/10

判型

文庫判

ページ数

336

解説

内容紹介

『猫は煙を気にする様である。消えて行く煙の行方をノラは一心に見つめている。…「こら、ノラ、猫の癖して何を思索するか」「ニャア」と返事をしてこっちを向いた。ノラはこの頃返事をする。』(「ノラや」より)。百間宅に入りこみ、ふいに戻らなくなったノラ。愛猫の行方を案じ嘆き続ける「ノラや」を始めとして、猫の話ばかりを集めた二十二篇。

目次


梅雨韻
白猫

立春
竿の音
彼ハ猫デアル
ノラや
ノラやノラや
ノラに降る村しぐれ〔ほか〕

著作者プロフィール

内田百閒

( うちだ・ひゃっけん )

1889-1971。岡山市の生まれ。本名は栄造。ペンネームは郷里の百閒川にちなむ。旧制六高在学中は俳句に親しむ。東大ドイツ文学科卒。陸軍士官学校、海軍機関学校、法政大学等でドイツ語を教える。教師をやめたのち作家活動に入り、特異な幻想をつづった短編集「冥途」「旅順入城式」を発表。飄逸な「百鬼園随筆」によってひろく世に出た。借金術の大家で、鉄道好きとしても知られていた。

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