ちくま学芸文庫
悪文の構造
─機能的な文章とは
千早耿一郎
著
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1,335
円978-4-480-08280-0
0122
-6-1
1996/06/10
文庫判
0
頁1492年、コロンブスが新大陸に第一歩をしるした年、カトリック・スペインは、800年間存続していたイスラム勢力を一掃するとともに、ユダヤ人の追放をも決定した。追放か改宗か。地中海を東へさまよう者、ポルトガルへ逃れる者。しかし、多数のユダヤ人は、みずから改宗の道を選ぶ。彼らは、「マラーノ」(豚)と蔑まれながら、異端審問の恐怖におびえ、迫害に耐えていった。そもそも固有の領土をもたないユダヤ人が、自己をも否認するという『二重の否定性』を身にまとうこと―この「マラーノ性」は、精神の奥深く刻印される。マラーノの足跡をたどり、マラーノ精神の体現者、スピノザ、マン、カネッティを語る、壮大な精神史の試み。
第1章 ユダヤ人の不安
第2章 ドイツのマラーノ
第3章 カバラ主義者の故郷ヘローナ
第4章 グラナダ一四九二年
第5章 火刑都市セビリヤ
第6章 コルドバの猶太人街
第7章 トレドの死の影のなかで
第8章 ポルトガル・マラーノの行方
第9章 棘族の末裔スピノザ
第10章 あるマラーノ研究者の運命
第11章 トーマス・マンの「マラーノ的」魅力
第12章 エリアス・カネッティ―ふたつの追放の言語をもつ作家
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