ちくま学芸文庫

詩の構造についての覚え書
─ぼくの《詩作品入門》
入沢康夫
著
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1,210
円978-4-480-08555-9
0121
-6-1
2000/06/07
文庫判
304
頁世阿弥が見い出した、憑き物による物狂いと思いゆえの物狂いとは。稚児男色の対象となった華やかな美少年たちの背後にひそむ暗闇とは。白拍子の男装にこめられた、性別を越境し女人結界を突破しようとする中世女性の論理とは。能という中世芸能を素材に、狂気、同性愛、性別越境など、近代的理性からは「逸脱」と映ることがらを通して、中世人の隠された心性を読みとく。文学と歴史をきり結ぶ地点から堀り起こす、異色の中世史。
1 感性の逸脱(中世の狂気・物狂い―能と漂泊する精神
中世寺院の稚児と男色―謡曲「経正」「花月」と同性愛
第六天魔王と解脱房貞慶―謡曲「第六天」と伊勢参宮説話
虫類成仏と中世人の死生観―謡曲「胡蝶」と輪廻転生
中世王権と「亡国の音」―小督説話と音楽)
2 逸脱する女性(白拍子の男装・能の女装―中世芸能民の性別越境
二人づれの女性芸能者―中世遍歴民の世界
大力の女と白拍子―中世東北の武家と血統伝説)
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