紀田順一郎
( きだ・じゅんいちろう )紀田 順一郎(きだ・じゅんいちろう):1935年、横浜生まれ。慶應義塾大学経済学部卒。評論家、作家。近代史、出版論、書誌、言語とコンピュータなどの分野で旺盛な評論活動を展開、推理小説も手がける。著書に『古本屋探偵の事件簿』『東京の下層社会』『幻想と怪奇の時代』(2008年度日本推理作家協会賞)『蔵書一代』など、訳書に『M・R・ジェイムズ怪談全集』など多数。三一書房より『紀田順一郎著作集』(全8巻)が刊行されている。
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明治の幕開けは、欧米の言葉にくらべて複雑で難解な日本語を、簡潔な言語・文字にし、効率的に表記しようとする「近代化」への挑戦のはじまりでもあった。日本語活字誕生秘話、活字文化の大衆化を支えた人々、苦闘の末に大事典をつくりあげた諸橋轍次と大槻文彦の偉業、漢字廃止・カナ文字運動の理想と現実、ガリ版文化の開花と衰退、写植の創造に半生を傾けた男、そしてワープロの誕生…。埋もれた厖大な資料を掘り起こし、この100年の日本語「近代化」に注がれた全情報の軌跡を追う、渾身の日本語探求図鑑。カラー図版多数。
第1章 幕末活字顛末期―活字に憑かれた人々
第2章 活字との密約―“壮厳なる森”に魅せられた人々
第3章 起死回生の夢―昭和活字文化の七〇年
第4章 ことばの海に漂う―諸橋轍次と大槻文彦
第5章 カナに生き、カナに死す―カナ文字運動の理想と現実
第6章 ローマ字国字論の目ざしたもの―田中館愛橘、田丸卓郎と日本のローマ字社
第7章 日本語改造法案―人工文字に賭けた人々
第8章 漢字?p止論VS.漢字万歳論―国語表記論争の過去と現在
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