隠遁の思想　─西行をめぐって

隠遁とは原郷へ赴くこと。そこは、自己の生の究極の拠り所とは何かの問いに対する答えとして存立した。原郷を失った現代人にそこに至る通路を示す。

隠遁の思想　─西行をめぐって
  • シリーズ:ちくま学芸文庫
  • 1,430円(税込)
  • Cコード:0112
  • 整理番号:サ-15-1
  • 刊行日: 2001/11/07
    ※発売日は地域・書店によって
    前後する場合があります
  • 判型:文庫判
  • ページ数:304
  • ISBN:4-480-08673-0
  • JANコード:9784480086730

この本の内容

かつて、隠遁とは世俗世界を離脱して辺境に赴くことであった。そして、その背後にはもう一つの世界の存立が予感されていた。原郷世界である。原郷世界とは、人びとが本来そこに在るべきはずの世界であり、自己の生の究極の拠り所とは何かの問いに対する答えてして存立した。隠遁とはまさに、その原郷世界を目指すことに他ならなかったのだ。西行の隠遁を中心に考察される本書は、原郷を失って久しい現代人に、そこに近接する通路を示す。

この本の目次

序章　なぜ隠遁か―夏目漱石『行人』をてがかりとして
第１章　世俗世界からの離脱
第２章　辺境への往還
第３章　原郷世界の夢想

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