中島義道
( なかじま・よしみち )中島 義道(なかじま・よしみち):1946年福岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院人文科学研究科修士課程修了。ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士)。電気通信大学教授を経て、現在は哲学塾主宰。著書に『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)、『反〈絆〉論』(ちくま新書)、『私の嫌いな10の言葉』『私の嫌いな10の人びと』(以上、新潮文庫)、『生き生きした過去――大森荘蔵の時間論、その批判的解読』(河出書房新社)などがある。
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時間とは、“いま”が次々に姿を現しては過去へと消えていく流れである―こうした「一般常識」は、西洋哲学でも支配的だった。その「現在中心主義」というべき時間像においては、非日常的な長さや幅のない極小的“いま”が前提にされている。しかし、その前提自体が誤解なのだ。この誤解を解いていくと、むしろ、想起の対象とし?トの過去との対比で、初めて“いま”が成立するという「過去中心主義」が迫り出してくる。人間を呪縛してきた「現在中心主義」に疑義をとなえ、時間とは何なのかを見つめなおす、新しい時間論。
第1章 過去中心主義とは何か
第2章 過去と空間化
第3章 過去と想起
第4章 過去と自由
第5章 時間の限界としての現在
第6章 幻想としての未来
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