真鍋俊照
( まなべ・しゅんしょう )1939年生まれ。仏教美術学者、四国大学教授・文学部長、仏画家、真言宗権大僧正。高野山大学文学部仏教学科卒業後、東北大学大学院インド学修士課程修了。同大文学部助手、10月奈良国立文化財研究所技官、70年神奈川県立金沢文庫学芸員、97年金沢文庫長、2000年宝仙学園短期大学長、02年文学博士(東洋大)、コロンビア大学客員教授。04年四国大学文学部教授、08年文学部長。98年四国霊場第四番大日寺住職、2011年権大僧正補任。
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平安時代末の仁寛を流祖とする真言立川流は、密教理論の要ともいうべき即身成仏を実現するために、男女交合の性愛秘技をもって可能だとした。また鎌倉時代の『愛法用心集』には、死者の髑髏を本尊に仕立てあげるための過程が入念に記述されている。こうした教え、実践、修行ゆえに正純な密教からは徹底的に弾圧され、その典籍も破棄されるなどして、立川流の実像は、長い間歴史の闇に葬り去られてきた。本書は、立川流の教義を改めてつぶさに検討し、逆説的に正純な真言密教の本質や構造を浮き彫りにすると同時に、立川流の奥義に込められた生命、人
1 仁寛の登場
2 邪教立川流とは何か
3 流刑地の仁寛
4 邪法と立川流の構造
5 立川流と大宇宙の霊力
6 立川流的視点のおこり=清瀧明神
7 双身歓喜天(聖天)と真興夢想記
8 仁寛のみた立川流の心象
9 文観弘真のこと
10 玄旨帰命壇と立川流
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