ちくま学芸文庫

詩の構造についての覚え書
─ぼくの《詩作品入門》
入沢康夫
著
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本書は、「梅原日本学」として、今や大きな山容を現わすに至った著者全業績の「原マグマ」とも言うべき処女論文集。日本文化論一般の形成に大きな足跡を残した先人(鈴木大拙、和辻哲郎、柳宗悦、正岡子規、丸山真男ら)に次々に肉迫。彼らの業績の意味と限界を、圧倒的な批判と論駁のうちに明示する。以後多くの著作として結実するその方法論は、「感情的構造を問う」著者独自のものであった。論難の書でありながら、副題に「創造的」とあるのも、うなづけよう。この独創の剣によって切り開かれた先に、新たに発見される日本の「美」と「宗教」。「梅原日本学」は、ここに始まる。
第1部 文化の問題(日本文化論への批判的考察―鈴木大拙・和辻哲郎の場合
明治百年における日本の自己誤認―日本人の宗教的痴呆
美学におけるナショナリズム)
第2部 美の問題(日本の美意識の感情的構造
壬生忠岑「和歌体十種」について
世阿弥の芸術論
徳川武士の美意識の構造)
第3部 宗教の問題(「固有神道」覚え書き
浄土教的感情様式について
創価学会の哲学的宗教的批判)
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