大塚英志
( おおつか・えいじ )大塚 英志(おおつか・えいじ):1958年生まれ。まんが原作者、批評家。神戸芸術工科大学教授、東京大学大学院情報学環特任教授、国際日本文化研究センター教授を歴任。まんが原作に『アンラッキーヤングメン』(KADOKAWA)他多数、評論に『「暮し」のファシズム』(筑摩選書)、『物語消費論』『「おたく」の精神史』(星海社新書)、他多数。
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江藤淳を、優れた文芸批評家であると同時に、優れた文明批評家であると見ていた著者による江藤淳論。第一章では、戦後日本の「なんとなさ」に根ざすサブカルチャー文学と対峙し、厳密に選別を行っていた江藤淳の姿を、作品を通して分析する。第二章では、「来歴否認」をキーワードに、三島由紀夫、村上龍、村上春樹等の作家たちの作品と生き方が、さらには、サブカルチャーとして生き続ける著者自身の困難さが語られる。
序章 犬猫に根差した思想
第1章 サブカルチャー文学論・江藤淳編(「ツルリとしたもの」と妻の崩壊
「母を崩壊させない小説」を探した少年のために
江藤淳と少女フェミニズム的戦後)
第2章 江藤淳と来歴否認の人々(三島由紀夫とサブカルチャーとしての日本
手塚治虫と非リアリズム的「日本語」の可能性
江藤淳と来歴否認の人々
柳田国男と「家」への忸怩
村上春樹と村上龍の「私」語りをめぐって)
終章 「歴史」と「私」の軋む場所から
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