アンリ・ベルクソン
( べるくそん,あんり )1859─1941年。パリ生まれ。旧来の認識論の限界を超えるべく実証主義の手法を採り入れ、すべてを持続の相の下に捉え直し、直観によってこそ生きた現実が把握されるとする独自の経験論を確立。1900─21年コレージュ・ド・フランス教授。第一次大戦頃より政治的発言や活動も多く、1929年ノーベル文学賞を受賞。主著に本作の他『意識に直接与えられたものについての試論』『物質と記憶』『創造的進化』がある。
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観念論と実在論の狭間でイマージュへと焦点があてられる。心脳問題への関心の中で、今日さらに重要性が高まる、フランス現象学の先駆的著書。
1,430
円978-4-480-09029-4
0110
-5-2
2007/02/07
文庫判
432
頁「純粋知覚から記憶へと移行することで、われわれは決定的な仕方で物質を離れ、精神へと向かう」―本書において著者は、観念論・実在論をともに極論としてしりぞけ、事物でもなく表象でもない、中間的なものとして「イマージュ」という概念を提唱する。そして、精神と物質との交差点として、記憶・想起の検証へと向かう。デカルト以来の近代哲学最大のテーマ「心身問題」に、失語症研究など当時最先端の科学的知見を動員しながら、緻密な論証で新しい“二元論”を展開する。今日、心脳問題への関心の中で、その重要性がいっそう、高まる主著。
第1章 表象に向けてのイマージュの選択について―身体の役割(現実的作用と可能的作用
表象 ほか)
第2章 イマージュの再認について―記憶と脳(記憶の二つの形式
運動と想起 ほか)
第3章 イマージュの残存について―記憶と精神(純粋想起
現在は何に存するか ほか)
第4章 イマージュの境界画定と固定について―知覚と物質、魂と身体(二元論の問題
従うべき方法 ほか)
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