阿部謹也
( あべ・きんや )1935年、東京に生まれる。1963年、一橋大学大学院社会学研究科博士課程修了。小樽商科大学教授、一橋大学教授、一橋大学学長、共立女子大学学長などを歴任。『中世を旅する人びと』『西洋中世の男と女』『中世の星の下で』『自分のなかに歴史をよむ』『ハーメルンの笛吹き男』『「世間」への旅』「阿部謹也著作集」全10巻(以上、筑摩書房)、『「世間」とは何か』(講談社)、『物語 ドイツの歴史』(中央公論新社)、『阿部謹也自伝』(新潮社)など多数の著書がある。2006年9月没。
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西洋中世における遍歴職人の「旅」とは、糧を得るための苦行であり、親方の呪縛から解放される喜びでもあった。彼らを迎える旅篭は常連客に優先してテーブルを割り当て、旅人を区分するしきたりを持っていた。遍歴職人・親方・旅篭主人達の必死なせめぎ合いに、当時の名もなき民衆の悲哀が漂う。本書は歴史の表舞台に登場しない彼ら庶民にスポットを当てた社会史。丹念な考察により、当時の人びとの息吹が蘇る。中世史研究の第一人者の初期代表作。’80年サントリー学芸賞受賞。
1 道・川・橋
2 旅と定住の間に
3 定住者の世界
4 遍歴と定住の交わり
5 ジプシーと放浪者の世界
6 遍歴の世界
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