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ちくま学芸文庫

地震予知と噴火予知

いま考えておくべきこと

巨大地震のメカニズムはそれまでの想定とどう違っていたのか。地震理論のいまと予知の最前線を明快に整理し、その問題点を鋭く指摘した提言の書。

定価

1,320

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09463-6

Cコード

0144

整理番号

-46-1

2012/06/06

判型

文庫判

ページ数

256

解説

内容紹介

また地震予知に失敗した!東日本大震災を経験して、だれもがそう思った。だが首都圏に、また南海トラフに、次の巨大地震が迫っている。予知をどうしたらよいのだろう。どのような方法が可能なのか。これまでの想定と異なる巨大地震のメカニズムに迫るためにも、広い領域からの発言が思わぬヒントになるかもしれない。そのためには、だれにもわかりやすい現状の全体像の提示がまず必要だろう。本書は、長年地震研究にたずさわり、噴火予知・防災の最前線に立ってきた著者が、地震理論の現状と問題点を整理し、今もって未完の予知科学へ新しい提言をす

目次

1章 東日本大震災の教訓(地震発生時の経験
地震の大きさ
地殻変動と津波
予知のすれ違い
防災対応の問題点)
2章 予知の方法と歩み(何を予知するか
予知の基盤
予知の体制と方策
噴火予知の経験
前兆現象に基づく地震予知の試み
東海地震は予知できるか
阪神淡路大震災とその後の改革
注目される地震と火山)
3章 予知の科学(予知の可能性を考える比喩
地震の統計則
予測可能性とカオス
地震と破壊
地震発生場の性質と形成過程
噴火予知の科学)
4章 予知の展望(予知能力の評価
予知科学の推進
予知手法の刷新
予知体制の評価と改革)

著作者プロフィール

井田喜明

( いだ・よしあき )

1941年、東京生まれ。東京大学物理学科卒業。同大学地球物理学博士課程修了。専攻は固体地球物理学。マントルの物性とダイナミクス、地震の震源過程のモデル化、マグマの移動や噴火の発生機構の理論などを研究。東京大学物性研究所、同大学海洋研究所、同大学地震研究所などでの教育・研究を経て同大学名誉教授。その間、日本火山学会会長、火山噴火予知連絡会会長も務める。現在はアドバンスソフト(株)研究顧問。編著に『火山爆発に迫る』(東京大学出版会)、『火山の事典』(朝倉書店)などがある。ほかに専門誌への寄稿も多い。

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