志賀浩二
( しが・こうじ )1930年、新潟県生まれ。東京大学大学院数物系数学科修士課程修了。東京工業大学名誉教授。理学博士。『数学30講』シリーズ(全10巻、朝倉書店)、『無限のなかの数学』(岩波新書)、『大人のための数学』シリーズ(全7巻、紀伊國屋書店)、『無限からの光芒』『数の大航海』(日本評論社)、『数学が歩いてきた道』(PHPサイエンス・ワールド新書)など一般向けの数学啓蒙書を多数執筆しており、第1回日本数学会出版賞を受賞。
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多様体とは何か?数学が抽象化した今日において、それを定義することはむしろ簡単なことである。しかし、現代数学のほとんどすべてが多様体という“場”のうえで展開している、という事実のもつ意味を、定義が教えてくれることはない。多様体の意味に迫ること、それが現代数学を理解する近道なのだ。本書は「位相」や「微分」といった基礎概念を詳しく説明しながら、初学者に寄り添った丁寧な語り口で一歩ずつ、多様体の本質へと近づいていく。図版を多用しつつイメージ豊かに語った、定評ある入門書。
第1章 自由な世界へ(実数から高次元の世界へ
球面を中心として
座標について)
第2章 近さの場―位相空間(距離の概念
近さの概念
位相空間から実数へ向けて
位相多様体)
第3章 微分について(微分の意味
変数の多い場合
写像と微分)
第4章 滑らかな場―多様体(微分性を保つ写像
多様体の定義
多様体の例
多様体の実現)
第5章 動き行く場(微分すること
接空間から接束へ
接束からベクトル束へ)
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