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ちくま学芸文庫

オペラの終焉

——リヒャルト・シュトラウスと〈バラの騎士〉の夢

定価

1,430

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09578-7

Cコード

0173

整理番号

-22-1

2013/12/10

判型

文庫判

ページ数

384

解説

内容紹介

芸術か娯楽か、前衛か古典か―。音楽がこの深い亀裂の前に立たされた20世紀初頭、それらを見事に調和させて時代の寵児となったのがR・シュトラウスだ。とくにその力のすべてが結晶化された『バラの騎士』は、オペラの幸福な黄金時代の最後の輝きといえる。不協和音を大量に用い、芸術的な実験性を追求しつつも、クライマックスでは映画音楽と見紛う甘い調性を美しく響かせ、音楽に夢を求めた大衆の願望に応えたこの鮮やかな作品は、その後の音楽に何をもたらしたのか。

目次

『バラの騎士』が生まれた時代
第1部(楽劇・ヴェリスモ・メルヘン―ポスト・ワーグナー時代のオペラ状況
陶酔と抽象―『サロメ』と『エレクトラ』の詩学
「モーツァルトへ帰れ!」―ロココ・ブームと喜劇オペラの復興)
第2部(二重ストーリーと様式交差―台本構造への一瞥
仮面と素顔―様式混合の問題
調和の幻想―様式統一の問題
夢の終わりに―『バラの騎士』の詩学)
私はこの世に忘れられ―シュトラウスと二十世紀オペラ

著作者プロフィール

岡田暁生

( おかだ・あけお )

1960年京都生まれ。京都大学人文科学研究所教授。専門は近代西洋音楽史。『西洋音楽史』(中公新書 2005年、韓国語版 2009年)、『音楽の聴き方』(中公新書 2009年、吉田秀和賞受賞)など、西洋音楽を独自の視点から、やさしく読み解いた著書の多くで広く知られる。他の著書に、『オペラの運命』(中公新書 2001年、サントリー学芸賞受賞)、『ピアニストになりたい!』(春秋社 2008年、芸術選奨文部科学大臣新人賞受賞)、『恋愛哲学者モーツァルト』(新潮選書 2008年)、『楽都ウィーンの光と陰』(小学館 2012年)など多数。

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