山崎正一
( やまざき・まさかず )1912-97年。東京生まれ。哲学者。東京帝国大学哲学科卒業。同大学大学院修了。東京大学教授、法政大学教授、日本哲学会委員長等を歴任。江戸時代からある東京谷中の興禅寺の住職でもあった。イギリス哲学やドイツ哲学に関するものの他、道元、法然、親鸞ら高僧についての著作もあり、『正法眼蔵随聞記』の訳注も行った。その広範な研究は『山崎正一全集』全10巻(朝日出版社)におさめられている。
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十八世紀の大思想家による伝説のケンカを、山崎・串田両氏が丹念な状況説明を付して再現。母国を追われたルソーをイギリスに温かく迎えたヒューム。しかし二人の友情はルソーの激しい思い込みからほどなくして破綻する。突然狂気に満ちた絶縁状を送りつけられたヒュームは、戸惑いつつも己の名声を守るべく、往復書簡に註を付して公刊。対するルソーは、自己の良心と真摯に向き合えば答えは明白との一点張り。近代哲学の二面性を、それぞれ別の方向から突き詰めた二人だからこそ起きた衝突。読んで大笑いするのも一興。しかしここには最も純粋な思想の言葉が満ち溢れている。
最初の鄭重なる書翰往復
パリの会合
ロンドン到着
嵐の前
宣戦布告
ルソーの言い分
永遠の袂別
『争論文書』の公表
弥次馬
健全さの悪
ルソー英国を去る
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