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ちくま学芸文庫

不在の哲学

言語を習得した人間は、自身の<いま・ここ>の体験に対し、客観的に捉えた世界の優位性を信じがちだ。しかしそれは本当なのか?渾身の書下ろし。

定価

1,430

(10%税込)
ISBN

978-4-480-09721-7

Cコード

0110

整理番号

-8-3

2016/02/09

判型

文庫判

ページ数

416

解説

内容紹介

古来、西洋哲学は確固とした普遍的「実在」を求めてきた。本書は、そうした客観的・統一的な脱自己中心的世界としての「実在」ではなく、対立概念である「不在」こそが「真にあること」ではないかという問題に取組む。言語=理性を習得してしまった人間は、客観的・統一的な「実在」こそ普遍的であり、それを、多元的・自己中心的な「私の世界」よりも優位に置く図式に、なかなか抗うことができない。そして、自分が住んでいる世界の相貌を語りつくすことができない。それはなぜなのか。不在を生み出す時間、自己と他者というトリック等、数々の哲学

目次

序章 実在と不在
第1章 不在というあり方
第2章 不在と“いま”
第3章 不在としての過去
第4章 不在としての私
第5章 観念としての客観的世界
第6章 多元的原事実
終章 不在と無

著作者プロフィール

中島義道

( なかじま・よしみち )

中島 義道(なかじま・よしみち):1946年福岡県生まれ。東京大学法学部卒。同大学院人文科学研究科修士課程修了。ウィーン大学基礎総合学部修了(哲学博士)。電気通信大学教授を経て、現在は哲学塾主宰。著書に『不在の哲学』(ちくま学芸文庫)、『反〈絆〉論』(ちくま新書)、『私の嫌いな10の言葉』『私の嫌いな10の人びと』(以上、新潮文庫)、『生き生きした過去――大森荘蔵の時間論、その批判的解読』(河出書房新社)などがある。

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